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空き家問題は深刻!でも実は不動産を購入するチャンス!?

最近ニュースでよく取り上げられる空き家問題。平成26年には空家対策法案が交付され、市町村毎に規制や助成などの体制整備が始まっています。

でも実際は相続したものの、遠方のため管理のしようがなかったり、どう処分したらいいのか分からず、そのままとなっている空き家が多いのではないでしょうか?皆さんのご近所にも、誰も住まなくなった空き家ありませんか?

この空き家問題を解決するためにいま注目されているのが、空き家の流通促進です。住まなくなった家を誰か住みたい人がお好みでリノベーションして住まう。これからはこんな新しい住み方がますます増えてくるでしょう。今回はそんな空き家の現状や、近所の空き家が気になるんだけどどうすれば購入できるの?といったお話をしたいと思います。

日本の空き家事情は?

人口減少社会に突入して久しい日本では、今の人口約1億2688万人(総務省統計局データ)から15年後には1000万人以上も人口が少なくなり、それに伴いマンションや一戸建ての4軒に1件が空家になるのではないかといわれています。

増加する空き家

この予想はだんだん現実的なものとなっており、実際に、総務省の統計データによれば2013年で空き家数が820万戸と、5年前に比べ63万戸も増加しているそうです!これにより総住宅数に占める空き家の割合は過去最高の13.5%に達しているという大変な問題となりつつあります。

ではなぜ、こんなに空き家が増え始めたのでしょうか?もちろん一番の原因は人口減少であることは言うまでもありません。でもそれだけではなく、日本の場合は、

家を購入する=家を新築する(若しくは新築を購入する)

という考えが主流だったためだと思います。そのため、既成住宅地では土地がないため、皆さん郊外のベットタウンへ新居を求めたわけです。

空き家

一方で、現在はベットタウンで育った子供世代はより都心へ生活拠点を求める結果、郊外のベットタウンでは空き家が目立つようになってきました。これは地方都市だけではなく、首都圏でも同様のことが言えると思います。

これでは人口が増えない限りはどんどん空き家が出来てしまいますね。そこで今、注目されているのが「ストック型」といわれる考え方です。つまり、新しく建てるのではなく、今ある良いものを長く大切に使う。地球に優しい、まさに今の時代に合った考え方といえます。

空き家が増えるとどうなるの?

空き家が増えるとどうなのか?あなたのご近所が空家が少ない環境でしたらそんなに不満はないかもしれません。

実は空き家が増えると周辺の住宅の地価が下がるんです!それはどういうことか、ご説明します。

空き家があると草がボウボウ生えてきたり、不審者が出入りしたり、あるいは放火されるかもしれないですよね。そうすると治安が悪くなったりしますので、住みたくない人が増えてきます。だからその家だけでなくその近所にも住みたくないというふうになってきて、周りの家の土地の値段も下がってしまいます。じゃあ安く売るぐらいだったらまた値上がりするかもしれない、と思ってずっと空き家にしたまま放置する人も結構います。

損をしたくないから売りたくない。でも実際は空き家にしているせいで、その家だけではなく、その地域全体の人気まで下がってしまい、更に売れなくなるという悪循環が起きます。

高く売るつもりが売れなくなった!なんてことがないように、早め早めの対応が必要になります。

動き出した空き家の活用法とは?

ではどうすればいいのか?空き家をお持ちの方は個人の方が多く、どうしたらいいのか分からない!というケースも多いと思います。

国では空き家対策として、『空き家対策特別措置法』を施行しましたが、いわゆる「特定空家」といわれるもののみが対象で、その内容も解体しなければ罰金等の消極的な対応だけですので、実際困っている方への救済としては十分とはいえないと思います。年金で暮らしている方が何百万円もする解体費用を払えるの?というお話ですよね。

一方で民間ではより実用的な取り組みが始まっています。具体的には高齢の方が住まなくなった住まいを長期に借り上げ転貸したり、新築のハウスメーカーも新築だけではなく、むしろリフォーム事業へ軸足をシフトしたりと、官民で徐々に空き家への対策を構築しつつあります。

空き家対策

ただし、この活動はまだまだ始まったばかりですし、そもそも、どこにアドバイスを求めたらいいのか分からないということがあると思います。

そんな時はまずはお近くの不動産会社へ相談してみて下さい。不動産会社には宅地建物取引士という不動産流通のプロが必ずいます。何年も空き家でぼろぼろだけど売れるかな、どうやったら売れるかな。売り方、売り時、色々なご質問に答えてくれるはずです。

近所の空き家を購入したい!でもどうすればいいの?

「アパート住まいで、近くで住宅の購入を検討している。」「すぐ近くの戸建て、空き家みたいだけど売りには出ていない。これって買えないのかな?」そんなお考えをお持ちの方も多いと思います。

そんな場合はまずは法務局へ行くと、その家の所有者の情報を誰でも見ることが出来ます。ただし注意が必要なのは、

「土地なら地番、建物なら家屋番号が分からないと取れない」

「所有者情報を入手したけど、実際には別の方が持っている」

「登録先住所にもう住んでいないみたい」

などなど、一筋縄では調査できないことも多いです。

さらに調査できたとしても所有者の方にどうアプローチしたらいいのか?アプローチした後はどう進めればいいのか?一般の方だとかなりの労力と時間が必要になると思います。そんな場合は、やはりお近くの不動産会社へ相談してみて下さい。ある程度の会社でしたら、その空き家の調査から所有者へのアプローチまで無料で出来ると思いますよ!

空き家×リノベーションという選択

実は、空き家をローンで購入する場合に銀行のローンの承認が下りないケースがあるので注意が必要です!

銀行は住宅ローンを行う際に、万が一お客様が返済出来なくなった時のために、物件へ抵当権という担保をつけます。この際に、あまりに古い住宅だと、「担保価値がない=ローンを実行できない」と判断されるケースもあります。

そんな時はリノベーションもセットにした資金計画でローンを組みましょう!購入されるお客様からしても、リフォーム分をご自身で捻出する必要がなくなりますし、銀行からしてもリフォームをするなら「担保価値があがる=ローンを実行しやすい」というメリットがあります。

この場合には銀行とパイプがあり、さらにリフォームに詳しい、そんな不動産会社選びが重要になると思います。どの会社がいいか、なかなか判断し難いですが、色々な会社を回り、ご自身にあった会社を探してみて下さい!

空き家を活かす方法はたくさんあります!

空き家問題は、今後の日本においてとても深刻な問題です。でも空き家を活かす方法はたくさんあります!例えば中古住宅を購入してリノベーションしようとしている人は大勢います。これだけリノベーションという考えが浸透してきている現在は、中古住宅の需要も高まってきています。空き家問題をきっかけに、新しい住まい方を考えてみてはいかがでしょうか?

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