
【一挙解説】なぜ日本のインテリア市場では「北欧」が人気なのか?
住まいのインテリアを考える上で『北欧』というワードを聞くと、みなさんはどんな空間を想像しますか?
おそらく、全体的に白っぽい空間を想像している人やナチュラルな空間を想像している方が多いのではないでしょうか。
実は、北欧のテイストは「これ!」と形が決まりきっていない、ふんわりしたものだったりします。なので、人によって北欧のイメージは様々なのです。だからこそ、多様なライフスタイルの日本人にとって好まれるテイストなのかもしれませんね。今回は、なぜここまで日本で北欧のインテリアが人気になっているのか、解説していきたいと思います。
北欧のヴィンテージインテリアが愛される理由
前述したとおり、北欧テイストには様々な顔があります。サマーハウスのような白を基調にした爽やかな空間や、ナチュラルな木目の床と壁にタイルをあしらった空間など様々です。いずれの空間にも、北欧のヴィンテージ感漂うインテリアアイテムは良いアクセントになってくれます。
また、北欧のインテリアはデザインはもちろんのこと、機能的なモノも多いのが特徴です。イギリスのアーツ・アンド・クラフツ運動、国際的な博覧会など19世紀から20世紀にかけてのデザインの潮流の中で数多くのクリエイターが育成され、1950~1960年代に優れた北欧デザインが次々と誕生していきました。
特にインテリアは限られた空間で常に目にふれても気持ちよく過ごせるよう、細部にまでこだわったものばかりです。時を重ねて木の質感がなめらかになっていくのも魅力です。
広大な敷地がある国と違い木材資源が少なかった北欧諸国で生み出されたものだからこそ、1本の木をいかに上手に使うか、ひとつの家具にどれだけの役割を持たせるかという創意工夫がなされたことが、長く北欧のインテリアが愛されてきた本当の理由です。
北欧インテリアのキーアイテム、「照明」と「椅子」
北欧のインテリアデザインは、ライフスタイルと密接に結びついています。北欧ではあまり外食をする習慣がなく、家族水入らずのディナータイムや友人とのホームパーティーを大切にします。その楽しいひとときの演出に欠かせないのが、そう、照明なのです。
また、暗くて、寒くて長い冬が続く北欧での暮らしでは、必然的に家の中で暮らす時間が長くなってしまいます。その時間を快適に過ごすために必要なのが、椅子。北欧の椅子は長時間座っていても疲れない快適な座り心地と飽きのこないしなやかなデザイン性を兼ね備えています。
日本のインテリアというと、和室をベースに考えれば椅子は不要、畳に座布団といったスタイルが定番です。最近流行っている和モダンのテイストもそこまで派手なインテリアは取り入れられず、自然素材で作られたシンプルなものが多いですよね。
一見合わなさそうな日本と北欧のインテリアですが、自然素材を好んでいたり、家で過ごす時間を大切にするというスタイルが共通しているからこそ、違和感なく受け入れられるのです。
北欧ならではの環境だからこそ出来た照明と椅子。北欧テイストを住まいに取り入れたいなら必須と言っても過言ではありません。この2つをこだわるだけで、北欧風デザインは飛躍的に良くなるかもしれませんね。
忘れがちな「カーテン」で、ひとつ上の北欧テイストに
とは言ったものの、北欧の人たちがこだわったのは照明と椅子だけではありません。カーテンも北欧ならではの環境でデザインされていったインテリアアイテムのひとつです。緯度が高い北欧地域では太陽の光がある時間が限られています。
そのため、出来るだけ室内に光を取り込めるよう冬の時期でも薄いカーテンを使用しています。その中で、カーテン(主にレース)のデザイン性が洗練されてきたのでしょう。
無地で白いレース生地が一般的な日本ですが、ワンランク上の北欧テイストへと近づけるならば、北欧ならではの柄が入った面白いレース生地をつけてみてはいかがですか?
最後に
いかがでしたか?ただ単に「北欧テイスト」と言われてもなかなかピンと来ない方が多いと思いますが、北欧の人がどんな暮らしをしているかを学ぶだけでもこれから北欧テイストを取り入れていくのに参考になるはずです。どのようなテイストを造っていくにしても、どのようなことにこだわって人々が暮らしているのか学びながら、その空間を作っていくことが大切だと思います。
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