中古住宅の耐震
リフォーム

地震大国日本で、中古住宅を購入する際に気を付けたい「耐震」のこと

2011年東日本大震災、2016年熊本地震、2018年大阪府北部地震と、日本は過去10年以内でたくさんの大きな災害に見舞われてきました。地震が起きるたびに、家屋の倒壊や床下・床上浸水など、住まいにおける様々な二次災害が発生していますよね。日本から地震を無くすことはなかなかできませんから、普段の生活で私たちができることとすれば、リスクを最小限に抑えるために建物のつくりを見直すしかありません。

そこで今回は、これから中古住宅を購入したい方に向けて、注目すべきポイントや耐震改修について学んでいきたいと思います。

【中古住宅選びのポイント1】家が建ったのは1981年6月以降?

大きな地震災害の経験を通して日本は何度も建築基準法を改正してきました。下記グラフをご覧ください。

 中古住宅の耐震

(出典:木耐協)

特に、1981年6月に建築基準法が大きく改正され、新耐震基準とも呼ばれています。1995年に発生した阪神淡路大震災では新耐震基準で建てられた建物の被害が少なかったそうですよ。実績があるということですね。また、2000年に改正された建築基準法では、はじめて壁のバランスに関して規定が出来ました。

中古住宅の耐震

(出典:木耐協)

筋交や構造用合板を配置することで、地震の揺れに強い壁になるように補強しますが、闇雲に補強しても場合によっては逆効果になる場合もあるので注意が必要です。

【中古住宅選びのポイント2】建物の間取りはどんな形?

中古住宅の耐震

L型やコの字形ではなく、長方形に近い形の間取りは、地震に対して強い建物です。ですが、なかなかぴったり長方形の家は少ないですよね。出窓やバルコニーなどの出幅が910mm以下の部分は省略して考えて構いません。(←この部分を省いた上でおおよそ長方形であれば、比較的地震に強い建物と言えるのです)

また、1辺が4mを超える吹抜けがあると、地震時に建物を大きくゆがめる可能性があるため、気を付けたいポイントとなります。

【中古住宅選びのポイント3】軽い建物の方が強い?!

中古住宅の耐震

日本瓦など、屋根が重く重心が高いと揺れが大きくなり地震に弱い建物と言えます。逆にガルバリウム鋼板など屋根が軽く重心が低いと揺れが小さくなり地震に強い建物と言えます。

中古住宅の耐震

中古住宅の屋根をリフォームする場合、例えば屋根の葺き替え工事などは大きく費用に関わる内容となるため、よく会社相談しながら話を進めていくことが必要です。

【中古住宅選びのポイント4】家の表面が新しくても、実はボロボロ?

さて、先ほどまでは簡単にわかりやすい耐震のチェック項目を示しましたが、この他にも基礎の種類、腐食の状態、正しい増築をおこなっているか、壁のバランスは悪くないか等々、あらゆる点からチェックしていかないと、総合的な耐震の良し悪しは判断できません。

費用はかかりますが、きちんとプロに頼んで報告書を出してもらったほうが今後の生活をしていく上でも安心です。家の健康診断をきちんと行ってからでないと正しい治療(工事)方法は見つけられないのが現状なので、購入まえには必ず確認しておきましょう。

【中古住宅選びのポイント5】リフォームに関わる費用

中古住宅の耐震

「中古住宅の耐震改修」と聞くと莫大な費用が掛かるイメージがあるかと思いますが、実際のところ改修工事(リフォーム)のうち耐震にかかる費用は平均的に10%以下です。

全面的に変えるリフォーム工事では、腐食部の復旧や間取り変更のために解体工事があります。その際に足りない金物を入れたり、新たな耐力壁を作ったりしますので思ったより余計な費用がかかっていないのです。

せっかく工事でお気に入りの住まいを手にいれるのですから、いくらか上乗せしてでも安心して暮らせる住まいを手に入れたいですよね。

耐震補強をしなくて良い家が良い家か?

中古住宅を探している方からは、「耐震」はどうですか?と不動産会社はよく聞かれます。

耐震がいくらよくても、気に入らない雰囲気、使いづらい間取りでは人生で大きな買い物に踏み切れません。またお家を手にいれてからもしっかりとしたメンテナンスをしていくことが大前提となります。

耐震が弱い場合でも、耐震改修工事で家の性能をあげることができますので、自分たちの条件は何か?もしくはバランスを取りながら中古住宅について考えていきましょう。

 

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