
ドアを変えれば暮らしが変わる!?ドアリフォームの基本の「き」
普段何気なく使っているお家の「ドア」。寝室にもリビングにも洗面室にもトイレにも必ずついていて、外出も帰宅も「ドア」に始まり「ドア」に終わります。「ドア」と一言で言ってもその種類は実に様々で、生活する人や使う場所によっても選ぶべきものは変わってきます。
今回はそんな「ドア」について、最新のトレンド事情も踏まえながら気になるあれこれをお教えしちゃいます!
開き戸と引き戸の違いは?ドア種類について
「ドア」の種類で代表的なものは「開き戸」「引き戸」「折れ戸」の3種類が挙げられます。それぞれのメリット・デメリットを確認してみましょう。
①開き戸
扉を前に押し出す、あるいは手前に引くことで開閉するドアのことを指します。
勝手口などでよく使われていますね。2枚の扉を開閉するタイプは「両開き戸」(観音扉とも言います)、1枚の扉を開閉するタイプは「片開き戸」と呼ばれます。
出入り口で一般的によく使われる開き戸の横幅寸法は約680mm~780mmです。これは、尺貫法で作られることが多い日本の住宅の3尺=910mmの柱間にピッタリ収まるサイズなので、そのような場所に取り付けられる事が多いです。
3つのドアの中で1番遮音性や断熱性に長けていますが、開閉に必要なスペースを前後に設けないといけません。開閉の際は扉の奥に人がいないか十分チェックしましょう。また、扉を開いた場所にスイッチやコンセントがあると扉が邪魔して使いにくくなってしまうので注意が必要です。
②引き戸
扉を横にスライドさせて開閉するドアのことを指します。
1枚の扉をスライドさせて開閉するタイプは「片引き戸」、障子や襖などのように複数枚の扉をスライドさせて開閉するタイプは「引き違い戸」と呼ばれます。その他「引き込み戸」や「引き分け戸」などと呼ばれるタイプもあります。
開き戸と違い、開閉しても壁に沿って扉が動くので前後にスペースが必要ありません。風の影響も受けにくいので、バタンッと閉まってしまうこともありません。ただし、壁際をスライドさせるため壁と扉の間に数ミリのクリアランス(隙間)が必要となります。その為、遮音性や断熱性は開き戸よりも劣ってしまいます。
③折れ戸
扉を中央から折れさせて開閉するドアのことを指します。
※画像はPanasonicの商品です
クローゼットなどの収納スペースの扉や、浴室の出入り口に使われることが多いです。開き戸や引き戸は扉そのものを動かして開閉しますが、折れ戸は扉を折れさせて動かすため部品や機能部が多くなってしまいます。そのため、日常的に開閉の頻度が高い通路などに設置するのは不向きです。
「ドア」の適材適所とは?
それぞれのドアの特徴をお分かりいただけたでしょうか。では、どこにどのドアを設置するのが好ましいのでしょうか?
基本的にドアは部屋から部屋、通路から部屋、室内から屋内など、空間と空間の境目に設置されます。その為、風や空気の流れの影響を受けやすいと言えます。先ほどお話したように、開き扉は風の影響で煽られたり逆にバタンっと閉じてしまう可能性がある為、風の通り道となる廊下や玄関近くの部屋への出入り口には不向きかと思われます。
とは言え、もともとの構造上どうしても開き扉を付けざるを得ない状況もあり得ます。その場合は、各メーカーでバタンっと閉まらないような機構が組み込まれているドアも出ていますので、ぜひ相談してみましょう!
Panasonic / 開き扉ソフトクローズ機構
LIXIL / ソフトモーション
収納のドアには、その収納に何をしまうのかによってドアの選び方も変わってきます。例えば扇風機やファンヒーターなどの大きさもあってかさばるものを収納する場合にはなるべく開口を広く取れた方がいいですよね。
そのような時には折れ戸か両開き戸がおすすめです。引戸の場合は引き残しができるため、開口の約半分の面積しか開けることができません。しかし折れ戸や両開き戸であれば開口分をほぼ全て開けることができるのでストレスなく出し入れができるようになります。
キッチンの食器をしまったり人の集まるLDKに設置する収納など、中身をあまり見られたくない場合には2枚引戸や3枚引戸など部分的に開けられる扉を選択するのがおすすめです。
また、現在は室内のバリアフリー化が進んでおり、ドアの敷居をつけないか床に埋め込んで設置してできる限り段差のない仕上がりにするのが一般的になっています。
リフォームの場合、すでに段差のある敷居がついているドアから敷居無しのドアにするには、床の兼ね合いや扉の丈の長さをどうするかなどお家ごとに工事のやり方が変わってきます。フローリングを重ね貼りして敷居の段差をなくすという方法も取れます。さらに、ご家族の中で介護保険に入っている方がいる場合、このような段差をなくす工事には介護保険が適応になるので補助金を受け取ることもできます!介護保険についてもいくつか注意事項があるので、まずは相談に行ってみましょう!
最新の「ドア」トレンド事情!
また、インテリアのトレンドに合わせてドアのトレンドも年々変化しています。
近年は「インダストリアル」や「ラスティック調」など、少し荒っぽくて男らしいインテリアがトレンドです。それに伴いドアのデザインも木目が強く出ているものや、ダーク系の色合いのもの、チェッカーガラスでアクセントにしているものなどが多く展開されています。大手メーカーのドアデザインを見てみましょう!
LIXIL / ヴィンティア インダストリアルの空間に溶け込む男らしいデザインの開き扉
LIXIL / ヴィンティア アメリカ西海岸をを彷彿させるインテリアにチェッカーガラスと濃紺のドアがアクセントに
LIXIL / ヴィンティア ヴィンテージ空間に合わせたラスティック調の木目のドア
LIXIL / ヴィンティア アイアン×木×ホワイトにモスグリーンの扉が映える
Panasonic / ベリティスクラフトレーベル フレンチシックの空間にもネイビーの扉を合わせると甘過ぎない空間に仕上がる
「ドア」リフォーム~お金と工期の話~
では、実際にドア交換のリフォームをした場合はどのくらいの予算と工期がかかるのでしょうか。
①枠から全て交換した場合
ドアの枠から交換する場合、枠の解体工事や壁の大工工事、クロスの貼り替えなど付随する工事が多くなります。
その場合には解体~ドア取付で約1~2日、内装工事で1日、合計で3日間ほど見ておく必要があります。その場合の工事費は、横幅80㎝×高さ180㎝の大きさの場合、ドアの種類やクロスの補修面積により上下しますが約10~15万は必要です。
※クロスの補修をしなくても良いように、ドア枠を大きいものを選定して金額を抑える方法もあります。
②扉のみ交換する場合
枠は既存の物を利用して扉のみ交換する場合は、上記で述べた付随工事がなくなるので扉と取付の金額のみになります。その場合は建具屋さんにオーダーメイドで作ってもらう方法と、メーカーの既製品をサイズオーダーして作る方法の2通りが挙げられます。どちらでも、ガラスや框組などの装飾はせずにシンプルなデザインの物であれば約5万前後で交換可能になってきます。チェッカーガラスを入れたり、無垢材を使ったり、塗装したりと、こだわりの詰まったデザインでオーダーすればその分金額もアップすると思っていた方が良いです。枠を残して扉のみの交換の場合は1日で作業は完了します。
どちらの場合でも、ドアの設置状況や工事のやり方によって金額も工期も変動するので、より詳細が気になる方は相談に行ってみましょう!
快適な住まいづくりは「ドア」の選定にあり!
いかがでしたか?ドアについて注目してみると意外と奥が深いですよね!ドアを変えるだけで空間のイメージもお家での生活のしやすさも変わってくるので、ドアについて考えてみるのも良いのではないでしょうか。今の住まいを見直して、より良い住まいを作っていって下さいね!
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