
「瑕疵保険」ってなに?中古住宅を安心してお得に購入できる方法とは
近頃、中古住宅の流通がどんどん増えてきており、注目されています。みなさんは中古住宅と聞いてどんなイメージをお持ちですか?「古い・汚い・設備が使えるか・住めるか不安」…などなど、様々なイメージがあるかと思います。
でも、安心してください!中古住宅には「瑕疵保険」という強い味方ががつきものなんです。今回は、中古住宅を安心・安全・お得に購入できる方法をご紹介いたします。
そもそも「瑕疵」ってなに?
そもそも瑕疵(かし)ってなに??というところからですよね!
「瑕疵」とは…きず・欠点または過失、法律上なんらかの欠点や欠陥があることを意味します。住宅における瑕疵というのは、本来その物件が備えている性能や品質が低下又は劣化していて、使用することが困難なこと又は使用するまでに予定外の金額が発生することを言います。
例えば物件の売買において、売主や仲介業者から伝えられていなかった雨漏れやシロアリで腐食が激しく住むことが難しい又は多額の費用がかかってしまう場合などが挙げられます。また心理的なものも瑕疵にあたります。例えば事件・事故・火災・自殺等が当てはまり、一般的に人から嫌悪を抱かれる内容のものを指します。これらはまず告知義務があるので、物件を問い合わせた際にはすぐにわかるものとなりますのでご安心ください。
新築の物件には瑕疵はあまり見られませんが、注目を集めるようになってきた中古物件には瑕疵が見られることが多々あります。築年数が経過していればしているほど、瑕疵(特に目に見えづらい部分:床下のシロアリや屋根の雨漏り)がある可能性が高くなっております。また、住宅だけではなく土地に対しても瑕疵はあり、以前の建物の基礎や解体したガラ(解体による産業廃棄物・建築廃材・瓦礫等)がある可能性もありますので注意が必要です。
不動産売買の瑕疵責任について
さて売買上、瑕疵の責任(瑕疵担保責任)はどうなるのか気になるところだと思います。売買契約によって異なりますが、基本的には売主が負担するようになっております。個人間売買ですと引き渡し日より2~3ヶ月は瑕疵の責任は売主が負担するのが一般的となりますが、売主が業者ですと、最低でも引き渡し日より2年、もしくは発見時より1ヶ月となり、長期間の保証が約束されます。
ただし、すべての売買に対して瑕疵担保責任があるわけではなく、売主が瑕疵担保責任を負わないものもありますので注意が必要です。告知されているものに対しては、それを了承済みで売買されることとなりますので、そこに関しての負担は売主で負いません。全てが瑕疵として扱われるわけではないので、みなさんここはご注意ください!!
宅建業法改正によるインスペクション普及
平成30年4月1日から宅地建物取引業法が改正され、安心で安全な建物の取引を行うために「インスペクション(建物状況調査)」制度が導入されました。
インスペクションとは建物の欠陥や劣化状況など目視で確認する内容になり、補修・改修する部分が見つかった場合それらにかかる費用を見極められるといったメリットがあります。この調査があると隠れた瑕疵に対して未然に発見して防ぐことができるので、中古のお家でも安心して住むことができますね。調査する箇所は建物の構造耐力上主要な部分及び雨水の侵入を防ぐ部分となります。
ただこの調査は任意となり、必ずしもすべての物件で行うわけではありません。調査費用もかかり、売主の協力を得て行うことが必須なので、出来ない場合もあることをご承知おき下さい。
ちなみに調査費用は目視のみの検査になると5~6万円程度、機材などを使用して詳細の検査をするとなると10万円を超えることもあります。調査費用については各社異なりますので、詳細は各社にお問い合わせください。
安心・安全でお得なメリット
「インスペクションをしたはいいものの、なんらかの保証がないと不安だ…」という方に朗報です。
インスペクションの検査によって修繕の必要がない(問題がない)中古住宅だと判断された場合、「瑕疵既存住宅売買瑕疵保険」というものに加入することができます。この保険に加入することで受けられる、3つのメリットをご紹介いたします。
※ただし、インスペクションと瑕疵保険を一緒に行っている会社でなければ検査費用等が二重にかかってきてしまうので注意※
1.安心・安全な中古住宅の売買
一般的な中古住宅の売買だと不安が残りますが、第三者機関による調査で客観的な視点から建物の状況を検査しており、情報の隠蔽などが起きず、安心した情報を持って売買することができます。また保険に加入することで建物に万が一のことがあった場合でも最長保険期間5年・最大1000万円を限度として保険金額がおります。
※保険の種類によって補修額が全額おりない場合もあります。
2.10年間毎年お金が戻ってくるお得な「住宅ローン控除」
新築住宅しか住宅ローン控除が受けられないと思っていませんか?実は瑕疵保険に加入していることで中古住宅でも住宅ローン控除が受けることができます。これが適用になれば税金で支払っている金額が10年間毎年お得に控除されるようになります。
※適用になるには住宅の要件が別途あり、控除額にも一定の要件があります。
3.税金が安くなる
住宅購入の上で諸経費も多くかかってきます。その中で2つも軽減・特例措置が受けられます。それは「登録免許税」「不動産取得税」という税金です。1万円でも2万円でも少しでも支払うお金が安くなるに越したことはないので、さらにお得に中古住宅が購入できますね。
※税金について詳しく知りたい方は各エリアの所管轄機関へご相談下さい。
ほかにも「特定居住用財産の買換え特例」「相続時精算課税制度」「住宅取得資金の非課税制度」など適用できる制度がありますので、3つ以上のメリットが受けられます。今後の住宅購入の上では、お得な優遇が受けられる中古住宅を検討してみるのもいかがでしょうか。
納得した住宅購入を!
いかがでしたか?
安心・安全でお得な購入方法を述べてきましたが、デメリットもあり、検査後に修繕する部分が余計にかかってきてしまう可能性も十分にあります。購入したはいいものの修繕する箇所が多くて、予算オーバーになって直したいときに直せないことも…ということがあるかもしれません。そんなことにならない為にも、ギリギリで物件を購入するのではなく、余裕を持った資金計画で住宅を購入することをおすすめします。納得して物件を選んでいただける判断材料となれば幸いです。ぜひご参考になさってみて下さい!
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