
知っているようで知らない、住宅ローンの団信制度を解説します!
住宅購入の際にみなさんはローンを借りられますか?おそらく、ほとんどの方がローンを借りられるかと思います。ローンを組んだけれど万一のことがあったら大変ですよね。そんな時に保証してくれる団信の存在は必要不可欠なんです! そんななくてはならない団信ですが、あまり知らない方も多いのが現実です。今回はその団信についてご紹介していきたいと思います。
そもそも団信ってなに?
団体信用生命保険、略して「団信」とは、住宅ローン専用の生命保険のことです。家を購入するときに住宅ローンを組まれる方が多いと思いますが、その際には団信に加入することになります。加入をしていれば、万が一債務者(=住宅ローンを借りる方)が亡くなってしまった場合、ローンの残債を保険会社が全額返済してくれます。債務者が亡くなってしまって残された家族で住宅ローン返していくなんてことになったら、生活が立ち行かなくなる可能性がありますよね。そうならないために団信という安心を保証した保険があるのです。
保険に加入するとなると気になるのが保険料ではないでしょうか。団信の保険料は一般的に銀行負担となり、銀行で出されている金利に含まれています。余分な費用がかからないのは安心ですね。ですが、全ての銀行が団信の保険料を負担というわけではありません。一部の銀行では債務者が支払う場合もあります。その中でみなさんもお聞きしたことがある銀行さんを例に挙げてみましょう。
住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)で出されている、「フラット35」の場合、団信の加入は任意で保険料は債務者負担となります。保険料は年率約0.358%ですので、仮に2000万円借入していたら最初の1年は、以下の金額がかかります。
2,000万円×0.358%=71,600円/年
この保険料は残債(=ローンの未返済額)に対してかかってくるものです。残債は毎年少なくなっていくので、おのずと負担する保険料は減少していきます。団信に入られる時は一度お掛けになっている生命保険を見直してみるのが良いかもしれません。
団信の補償はどこまで適用されるの?
団信は死亡保障をしてくれるけど、働けなくなったらどうするの?うちはガン家系だから死亡保障だけでは物足りない!と不安でいらっしゃる方も多いかと思います。安心して下さい!実は団信には補償の幅が選べるんです!
一般的には死亡保障のみの団信ですが、金利を0.1~0.3%上乗せすると、がんや脳卒中、心筋梗塞などの特約が付けられるようになります。銀行にもよって補償の幅に差はありますが、これだけ補償があれば安心ですよね。不安がある方は検討してみてはいかがでしょう。
また繰り返しになりますが、この時点で生命保険等の見直しをかけることが良いでしょう。補足ですが、銀行の中には金利を上げずにがん団信まで付いてくるところもありますので、住宅購入を検討されている方は一度銀行の補償内容を調べて検討してみて下さい。
団信の知られていない3つの注意点!
これまで団信のメリットをお伝えしてきました。団信は安心を保証するものではありますが、意外に知らない注意点をお伝えしたいと思います。
一つ目は、団信の保険料についてです。
一般的な銀行(地方銀行・ネット銀行等)では、銀行自らが保険料を負担しているので、繰り上げ返済をしたとしても団信の保険料が戻ることはありません。一方、住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)「フラット35」の場合だと、毎年住宅ローンの残高に応じて保険料が決まり、債務者が支払うこととなっています。ですので、繰り上げ返済して元金が減少すれば住宅ローン残高は減りますので保険料は下がっていきます。また、繰り上げ返済して早期に完済するような場合は、保険契約もその時点で終了することになります。先々の分まで保険料を払っている場合は払い戻しが行われます。
二つ目は、夫婦で住宅ローンを借りる時です。
最近は夫婦共働きをする世帯が多くなってきました。そういったこともあって二人で住宅ローンを借りるという選択肢を検討する方も増えてきているようです。その場合の知っておいていただきたいケースをご紹介します。
① 夫婦それぞれがローンを借りる場合
それぞれ別にローンを借りる場合は、団信にもそれぞれ加入することになります。夫に万が一のことがあった場合夫の分のローンは団信が適用されますが、妻の分のローンは残ります。ローン全額がなくなるわけではないので注意が必要です。
② 夫婦どちらかがローンを借り、もう一方が連帯債務者の場合
この場合、団信は主債務者にしか適用されない場合が多いです。夫名義でローンを借りて万が一のことがあった場合、ローンは全額団信が適用されますが、妻に何かあってもローンはそのまま残ります。夫婦2人分の収入を前提にローンを借りていたとすると、返済が苦しくなる可能性があります。
このパターンには「フラット35」で借入し、「デュエット(夫婦連生団信)」に加入するという選択肢もあります。どちらか一方に万が一のことがあっても、持分や返済額に関わらず一切のローンが相殺されるのが最大のメリットです。その分、保険料は約1.56倍高くなります。それぞれメリットデメリットがありますので、二人で組むことを考える際にはよく検討が必要です。
三つ目は、加入時の健康状態についてです。以下の3点のうち1つでも当てはまるものがあると、加入できない場合もあります。
- 最近3カ月以内に医師の治療・投薬を受けた
- 過去3年以内に指定した病気(脳卒中・がんなど)で手術を受けた、または2週間以上に渡り医師の治療・投薬を受けた
- 手足の欠損または機能に障害がある、または背骨・視力・聴力・言語・そしゃく機能に障害がある
思い当たるものがある方は、早い段階で担当者に相談しておくのが良いでしょう。
事前準備は時間のあるうちにやっておきましょう!
団信の基礎知識、ご理解いただけましたでしょうか?銀行によっても補償内容が違いますので、具体的に考える際は一度詳しく調べてみることをおすすめします。意外と奥が深く一人では決められない分野なので、ご夫婦での話し合いも必要ですね。大きな買い物だからこそ失敗はできないので、多くの知識を身に付けてお家を探していきましょう!
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